今回は奈良が誇る世界遺産の一つ、薬師寺です。
西遊記で天竺に行ったことで有名な三蔵法師(玄奘)がインドから持ち帰った法典をルーツにもつ法相宗の本山のお寺です。
久々に訪れる機会がありましたので記事にしていきたいと思います。
薬師寺の歴史
薬師寺の建立
薬師寺の歴史は飛鳥時代に遡ります。
680年に天武天皇が皇后(のちの持統天皇)の病気平癒を祈願して建立を開始しました。薬師寺の名は、薬師如来(薬師瑠璃光如来)を本尊としていることに由来しています。
初代の薬師寺は、藤原京(現在の奈良県橿原市)にあったとされていますが、710年の平城京遷都に伴って現在の場所に移転されます。
再建
薬師寺は戦国時代の戦火により大部分が焼失します。現存する奈良時代の建物は東塔のみとなっています。
この東塔もかなり状態が悪く、十数年かけて全面解体して補強工事が実施されています。2021年に工事が完了しその姿を拝めるようになりました。
焼失した国宝の薬師三尊像がある金堂は、江戸時代に再建されています。薬師寺の金堂は1976年に再建されており、不要となった元の金堂は興福寺の仮講堂として移建されています。
教育機関としての薬師寺
薬師寺は、その歴史の中で教育機関としても重要な役割を果たしてきました。特に奈良時代、寺院は学問や文化の中心地として栄え、多くの僧侶や学生が仏教の教義や儀式、漢籍や古典文学を学ぶ場でした。薬師寺もその一環として、学問の拠点として栄え、多くの知識人が集い、教えを受けていました。
薬師寺の見所-3選
東塔(国宝)と西塔
薬師寺といえば、やはり2つある三重の塔ですね。
東塔は建築当時の姿を保っており、たたずまいが美しく一見の価値があります。
一方、西塔は1976年に再建されたもので、古代の技術と現代の技術が融合した建築となっています。両塔を見比べることで、再建の努力を感じることができるでしょう。
右側に見えるのが西塔です。
金堂(薬師三尊像)
薬師寺の中心的な建物である金堂には、本尊の薬師如来像が安置されています。この像は、薬師如来が病気や災いから人々を守るための仏として信仰されています。
薬師如来の両サイドには月光(がっこう)如来、日光如来の像があります。これはいわば2交代制の看護師さん的な感じらしく、夜勤のナースの像と日勤のナースの像となっているようです。
そのあたりは奈良時代も似たような感じだったんですね、、
玄奘塔
玄奘は西遊記で有名な三蔵法師で、玄奘塔には玄奘の遺骨が実際に分骨されているそうです。
玄奘が天竺から法典を持ち帰ったことで、中国と日本の仏教の発展に影響を与えたのは間違いないです。
終わりに
薬師寺で買える写経紙は、写経して薬師寺に奉納することができます。
写経紙はお焚き上げされることなく、三尊像が置かれている金堂の2階で保管されるとのことで、私も機会があればやってみたいです。世界遺産に自分の筆跡が残る書類が保管されていると考えたら、ちょっとわくわくしませんか。
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