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戦国時代、シルバーラッシュに沸き立つ石見銀山の世界。
書籍情報
第168回直木賞受賞作の「しろがねの葉」
タイトル | しろがねの葉 |
著者 | 千草茜 |
出版社 | 新潮社 |
発行日 | 2022/9/29 |
ページ数 | 320 |
![]() | 価格:1870円 |

石見銀山について
本作品を読むまで石見銀山がどこにあるか認識していなかったが、島根県の真ん中あたりに位置している。
日本に鉄砲が伝来する発端ともなった南蛮貿易の主力商品「石見銀」の採掘で有名で、毛利家の重要な資金源だった。
石見銀山で働く鉱山夫は塵肺を患う運命にあり、平均寿命は30歳程度だったと言われている。
感想
戦国時代はほとんど人権の概念がなく、女性の立場は今よりはるかに厳しい状況。
そんな中で主人公の少女は、才能や能力はあっても性別が女であるということだけで、思い通りにキャリアを築くことができないことに苦しみ続ける。それでも、自分で人生の選択して銀山を生き抜いていくという物語。
このあたりは現代社会に通ずる部分もあり、幸せに生きるということがどういうことか考えさせられる。
一方で、鉱山勤務で肺を患い日々弱っていく旦那を、いつか死んでしまうことはわかっていながら毎朝見送るというのは、現代にはない当時の生々しい生活が垣間見える。銀堀の妻としてのプライド、銀堀として働く旦那への尊敬の強さを感じた。
ほかにも、作中には史実に沿って記載された人物も登場するため、歴史小説として読んでもおもしろい。
特に奉行として登場する大久保長安は、石見銀山や佐渡金山の開発にもかかわった重要人物で「武田の金、毛利の銀」という作品にも登場している。
両作品で長安のペルソナ設定が共通している部分もあり、併せて読むと石見銀山を別視点で見ることができるためおすすめだ。
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